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浄化してしまいたい

思い出したくない嫌〜なエピソードをネタにして浄化する

初潮がきた その時母は

物心ついた時から太っていたわたしは、10歳くらいから第二次性徴期が始まっていたようで、急にお乳にピキッという痛みが走ったり、触るとでかいしこりがあり痛みがあったりしていた。

 

結構ショッキングな出来事で、母に話すと真剣に聞いてくれたし、わたしが通う小学校の保健の先生にも相談したようだ。

 

その時は知らなかったけど、それはお乳が発達する前兆で、よくあることなのだが、保健の先生も「江口さん、胸が痛いんだって?」と聞いてはくれたものの、病気じゃないから気にしないでとか良くあることよ、みたいな言葉をかけてくれる訳じゃなかったし、女子だけ集められて「身体のことで心配なことがあれば書いてね」と渡されたアンケートに「胸が痛くて硬いものが入っている」と記入したら、回収後すぐにアンケートをチェックしていた女の先生たちが、わたしの用紙を見ながらう笑いながらうなずき、こちらを見て微笑んでいたけど、それ以上のアクションはなく、やっぱり安心させてはくれなかった。

(これは完全に周りの大人たちのミスである。わかってるなら言ってくれ)

 

今思うと、わたしがそういうことに興味がなかった、というか、興味がない、気にしてないふりをしていたからなんだと思う。

 

 

今はどうだか知らないが、わたしが小学校の頃は五年生で生理の仕組みなどを男女別の部屋に分かれて教わった。

 

だが、人より体格が良かったわたしは、そのことを習う前に生理が来るかもしれないという心配があったのだろう、母がその辺りを気にかけていたように思う。

 

ある日、部屋でマンガを読んでいたわたしに、母がおもむろに(だが決心したように)「あのね、えぐちゃん。女の人はね、生理と言って、お尻から血が出てくることがあるんだけど…」

と話し始めたことがあった。

 

わたしは生理のことはなんとなく知っていたが、何故か母とその話をしたくなくて、咄嗟に

 

「ふーん、そうなんだ〜。ねえ、見てこれ〜」

と読んでいたマンガを母に見せて、話を中断させた気がする。

 

本当はかなり心臓がバクバクしているのに。

 

母はそれ以上何も言わず、ただ複雑な表情をしていた。

 

わたしの望み通り、「そういうことに興味のない、もしくはそういう話をしてもしょうがない」子だと思わせるのに、成功したのだ。

 

わたしは今でもそれが普通だと思っているのだが、親と性的な話とかするのってすごく嫌じゃなかった…?

 

だって一番そういう存在からかけ離れてるじゃん…

 

でもたまにオープンな家族もいるしなぁ…

 

 

まあ、そんなこんなで「身体はデカいけど中身は幼い自分」を親に対して演じていた矢先、ついに初潮を迎えた。

 

授業で教わった後だったので、正確な知識はあったけど、それでも驚いた。

でも、一人で対応することなんてできなかった。

 

 

別室にいた母に

「お母さん、わたし、生理になっちゃった!」と伝えると、母は

 

 

「ええっ!?」

 

と言うと、しばらく頭を抱えて何かを考えはじめたのだ。

 

 

 

 

 

…ええっ?!じゃねえよ…。

 

 

わたしに初潮が来そうだって思ってたんじゃなかったのかよ…

 

 

 

その時の母の驚きぶりと余裕のなさ(困ったわ、どうしよう、という思いがダダ漏れだった)は、わたしに罪悪感を植え付けた。

 

当事者のわたしの方がどうしようなのに、何故母の方が困っていたんだろう?

 

それでもわたしは心細さを隠すしかなかった。

 

 

その後は生理用品をくれて使い方を一通り教えてもらい、何とか処置をしたのだが(生理用ショーツはなかった)、一息ついてから母が「どうする?お父さんにお話する?」と(とってつけたような)笑顔で聞いてきた。

 

「…いい」とだけ答えた気がする。

 

 

 

わたしの初潮になった日は、最悪の思い出となってしまった。

 

初潮のせいで母を困らせてしまい、その結果、わたしは心細さを表出することがそれ以降出来なくなってしまったのだ。

 

 

母は何故あの時あそこまで余裕がなかったんだろうか。

 

思うに、田舎で共働きの上義両親と同居しており、とにかく忙しかったし、精神的にもギリギリだったのだろう。

忙しい上にルーズな所もある人だから、気づいていても用意が出来なかったのかもしれない(実際生理用ショーツは後から買ってもらった)。

 

わたしが平気なフリをしていたのもいけなかったかもしれないけど、娘に初潮が訪れた時にビビらせないで欲しかった。

 

 

いつかわたしに娘ができて、初潮を迎えたら、絶対に母のようなリアクションはとりたくない。

 

「あら、おめでとう!じゃあパンツ買いに行って、ついでにお祝いスイーツ食べてこよっか!」

 

くらい言ってあげたい。

 

いや、少なくとも、取り乱したりせずにドーンと受け止められるような肝っ玉母さんでありたい。

 

 

…が、恐らく娘を持つことはこの先ないだろうな…

 

隣でグースカ眠っている一人息子を見て思うのだった。

 

 

 

 

露出狂 2

前回の「痴漢 2」で書いた電車内で遭遇した露出狂のことを、そう言えば書いていなかったので書いておこうと思う。

 

わたしがそういった輩に出くわしていたのは今から25年ほど前、学生時代に集中していた。

 

一番電車に乗っている時間が多かったからか。

 

ドアツードアで片道2時間かかる所に通っていた為、平日にアルバイトができず、土日に単発でできる試食販売のアルバイトに週末は勤しんでいた。

 

スーパーに一日中立ちっぱなしで「いらっしゃいませ〜!本日メーカーが社運をかけて開発した新発売の美味しいヨーグルト、1日の終わりのご褒美にいかがでしょうか?是非お味味していってくださ〜い!」

みたいなことを声を張り上げては配り販売を促進するお仕事だったが、派遣されるスーパーは当時住んでいた神奈川県全域に渡るため、その日は電車で小一時間かかる県の外れにあるスーパーまで行った帰りだった。

 

その現場の最寄駅は線路が終着点だったため、必然的に始発電車に乗ることになる。

多分夕方6時過ぎだろうか。発車時間までまだかなりあった車輌内にはわたし一人しかいなかった。

 

無事仕事を終えやっとゆっくりできると思い、ボックス席の窓側に腰を下ろし、少し眠るつもりで頭を窓に寄りかからせていた。

 

その時、細くて長髪の男性がわたしのいる車輌に入ってきた。

 

わたしが座っているボックス席を通り過ぎて、恐らく同じ車輌の二人がけ席に座ったようだった。

お互いに特に気にすることもなかったと思う。

 

静かな空間が発車までの時間を流れていた。

 

しかし、わたしは気がついてしまった。

 

 

窓ガラスにうつる、その長髪男が、自身の一物をまろび出し、しごきまくっていることに。

 

 

 

「ふざけんじゃねーよ!!こっちは疲れてんだよ馬鹿野郎が!!」

 

例の如く一瞬で頭に血が上ったわたしは立ち上がり荷物を持って通路に出た。

 

「うちじゃねんだよここはよ!ふざけやがってよこの野郎!!舐めてんじゃねえぞ!!!」

 

上記のような暴言を吐きながらそいつの横を通り過ぎた。

 

そいつが慌てて一物をしまいいそいそと車輌を出て行く気配を感じながら尚も暴言を吐き続けるわたし。

 

知らない街の初めて行くスーパーに一日中立ち、作り笑顔で時に無視されながら必死で仕事してよぉ、やっとゆっくりできると思ったらこれかよ!!!

 

露出狂にとっちゃ知らんがな、という理由だが疲れもあって怒りがヒートアップしわたしは暴言を止めることができなかった。

 

 

…ところが。

 

誰もいないと思っていた車輌の隅に、気づかなかったが一人、中年と思しき女性が座っていたのだ…

 

その女性は戸惑いながらわたしを見ていた。

 

あ、やべえ…と思ったが、もうどうすることもできず、何も言わずに次の車輌に移動した。

 

 

恐らくこの女性は長髪の男が自慰行為をしていたことは知らなかったはず(見えない所に座っていたから)。

 

つまり、いきなり暴言を吐き続けながら一人で歩き出したわたしの方が、その女性にとってはよっぽどやばい奴だったのだ…。

 

 

その女性には申し訳なかったが、わたしがブチ切れたのは間違ってはいないはずだ。

 

今となってはその長髪男がわざとわたしに見せつけるようにしていたかどうかは確認しようがないが(隠れてやろうとしたけどわたしが見つけてしまった可能性もある、だが電車でするのはどう考えてもアウトだろう)、(いやでもやはりわざわざガラスに写る場所でやっていた可能性が高いから最悪だ)、別の日の違う時間帯に(そこそこ混んでいたのに)、同じ路線で別の男がやはり自慰行為をしているのを目撃したこともあったので、やはり悪質な行為だと確信した。

 

(ちなみにその時は人が結構いたので怒鳴ったりはせず、降りた駅で駅員さんに報告するだけに留めた。同じ男を見てしまった年配の女性と「この路線ああいうの多いのよね〜」なんて話していた)

 

 

 

その話を、前回のブログに登場した男友達に話したところ

 

「そんなの勝手じゃんよ」

 

というリアクションだったのだ。

 

いや勝手じゃねーよ。

(もう一度書くがこの男友達はごく普通の善良な人物であり、誰もいない電車内でナニをアレするようなことはないはずである。わたしとの関係性から、このような発言になっただけだと思う)

 

この手の話を女性から聞いた時、普通の男性はどうリアクションするのだろう?

 

電車男」では、痴漢にあったエルメスさんのことを心配して、一緒に通勤できないかとか色々考えてたよなぁ。

 

こんな対応されるのは、やはりわたしのキャラクターだったからなんだろう。

「え?江口が痴漢に遭ったとかマジ?そいつゲテモノ食いかよ」

みたいなね。

(↑言っておくが実際にはこんなこと言われてない。思われてもいない…はず)

 

 

だが、ここまで書いていてふと思ったんだけど、程度は全然違うけど電車内で化粧する女性も迷惑行為というくくりでは同じなのではないか?

 

そしてわたしこそ、今思うと結構電車で化粧していたクチだったのだ…

 

(流石に満員電車とかではしないし、ボックス席で人がいない時にしてたんだけど)

 

正直、電車で化粧することに何が悪いの?と思ってたこともあったのだが、やはり見たくないものを周囲に見せてしまうことになったり、本来家ですべきことを公共の場でするのは本質的には露出狂と変わらないのかもしれない…

 

 

が!!!

 

 

わざと見せつけるのと、気にせずしてしまうことは天と地ほどの差があるから!!!

 

かなり悪質だから!!!許さんからな!!!

 

 

 

(ふともしかしたら長髪男は内面的に障害を持っていて、どこでもそういうことをしてしまう人だったのかな、と考えたが、だとしたらわたしが怒鳴った時に席を立つほどの理解力は無かったのではないかと思い直した。やはり同情の余地はない)

 

 

今となってはもう乗らなくなってしまったあの路線。

 

未だにこういう輩が出現してたらやだなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

痴漢 2

片道2時間の距離を通っていた大学時代。

そのうち約1時間半が電車内であり、その中で数回ほど遭遇した痴漢についての話の続きである。

 

ある平日の午後。その日は部活などもなく、割と早めの時間に電車に乗り、ボックス席の窓側に一人で座ることができた。

 

ぼーっとしながら外の景色を見ていると、途中でわたしの正面に座ってきた男性がいた。

「すいません、すいません」

小さな声で頭を下げながら座りに来る男性は、小太りで割と頭薄めのおっさんだったような気がする。

 

とりあえずわたしはそのおっさんの邪魔にならないように姿勢を正したが、ボックス席の斜め対角線上に座ればゆったりできるのにな、とちょっと不思議に思っていた。

 

座るなり目を瞑り居眠りを始めるおっさん。

わたしは相変わらずぼーっとしながら座っていたのだが…

 

しばらくして脚に違和感を覚えた。

 

何故か、目の前で寝ているおっさんが私の両脚を自分の両脚で挟んできたのだ。

 

は?

 

文字にすると意味がわからないと思うけど、その時も意味がわからなかった。

 

違和感に気付いたわたしが、脚をどかそうとするが、居眠りしているおっさんの脚の力が強くなかなかどかせない。というか抜けない。

 

焦る中、なんとか挟まれていた脚から逃れ、ボックス席の真後ろにある、二人掛け席(電車の真ん中を向いてる席ね)に座り直しなんだったんだ今の…とぐるぐる考えていた。

 

その直後、

居眠りしていたはずのおっさんが席を立ち、キョロキョロしはじめ、二人掛け席のわたしを見つけ「チッ」と舌打ちをした。

 

 

そこで初めてそのおっさんが痴漢だったのだと気付いた。

 

 

おっさんはそれ以上絡むことなく、降りていったので良かったけど、さすがに結構怖かった、訳わかんなくて。

 

 

その話を後日たまたま会った高校時代の男友達に話したところ、

 

「へー、感じた?」

 

とニヤニヤしながら言われ、話の通じなさにショックを受けるという二次被害(?)を被った。

 

ちなみに同じ男友達に電車内で露出狂に遭ってブチ切れた話をしたら

 

「そんなの勝手じゃんよ」

 

と露出狂の方に肩入れするようなことを言われさらに話が通じないことに絶望し話を変えた覚えがある。

 

 

断っておくがこの男友達は決して悪い奴ではなく至って普通の人間である。

 

今思い出すととんでもねぇ女下げクソ野郎みてえだが、恐らく普段から軽口を叩き合い真面目な話をしてこなかったわたしとの接し方を鑑みて、こういうコミュニケーションの仕方になったのだと推測する。

 

(それを差し引いても有り得ないけどな!!)

 

 

あれから25年近くたった今、時代も変わりやっと女性たちが声を上げはじめたけれど、未だに痴漢の話は男性に話してもやはり通じなかったりするのだろうか?

 

あの時、わたしは男友達になんて言って欲しかったんだろう?

 

 

今となっては痴漢に遭うことは全くないが、もし被害に遭った人を見かける事があれば、何とかして助けてあげたい。

 

そう思うだけだ。

 

そして痴漢のハゲデブおっさんだけが1億パーセント悪いのになんか男友達の方がやな奴みたいになっちゃってるのも二次被害だな、ほんとに。

 

 

痴漢は被害者だけでなく、世の中の男性にも間接的に害を及ぼしていることに、常識的な男性たちはもっと怒ってもいいと思うのだが。

 

 

※痴漢は男性だけでないことや男性の被害者も存在することは理解しておりますので悪しからず。

 

 

 

 

 

花さん

小学校からの友人で花さんという女の子がいた。

長くて綺麗な髪をいつも一つに結んでいて、天然パーマのショートカットで性別不明だった私はまっすぐな長い髪でいいな〜とは思っていたが、あまり清潔感はなく(オイリーだった)、全体的に冴えない子だったのは否定できない。(わたしと同様に)

 

だがお喋り好きで、その声とたたずまいがなんとなくサザエさんの花沢さんに似ていた。(だから花さん)

 

基本的にいい子だし、本を良く読んでいて頭も良く、書道を得意としていて字も綺麗だった。

なのに何故かノートは汚かった。

(筆圧が強すぎて擦れた跡で真っ黒になっていた、そしてそれを気にしていなかった)

 

わたしも衛生観念があまりない方だったけど、花さんは幼少期のわたしから見てもたまに引く程度には身だしなみとかを気にしない子だった。

 

 

そんな花さんともう一人のお友達との3人で、田んぼの畦道や浜の近くを歩き探検したり、どんぐりを拾ったり四つ葉のクローバーを探して遊んだのは楽しかった。純粋だったあの頃の良い思い出である。

 

 

花さんとは高校では離れてしまい、中学での部活も違ったので殆ど会うことはなくなったが、大学生になってから電話がかかってきてたまに話すようになった。

 

が、その話が長い長い。

 

今となっては思い出せないようなささいなことを喋る喋る。

正直2度ほど寝落ちしかけたし。

 

わたしも話すのは嫌いではないけど、何しろ自分のことばかり話すものだから相づちをうつだけで一方的に話を聞くのみだった。

 

しばらくして、また花さんから電話が来て話を聞いていたら、今度は何か相談があるとのことだった。

「今すごく気になる男の人がいるんだけど、その人が〇〇大出身なんだって!これはえぐに相談しないとと思って!」

 

…いや、わたし〇〇大じゃないし…。

 

(どうやらうちの両親が〇〇大で知り合ったのをわたしが話したことがあったから言ってきたらしい。それでも遠すぎてわからないけど)

 

「本当にいい人で、カッコよくて、優しいし付き合いたいんだけど」

 

息もつかず喋りまくる花さん。

 

「どうやったら付き合えるかな〜?」

 

…いや、知らん。現時点で男性との交際経験なしのわたしに聞かんでくれ…相談相手間違えたよ花さん…

 

「優しい人だから、多分一度寝たら付き合えると思うんだよね〜。そういう媚薬とかないかな〜?」

 

………。

 

「大学の友達に相談したら、「花さん、これ以上嫌な女にならないでね」って言われちゃって〜」

 

………なんだこいつ………。

 

 

大学生になって、花さんはすっかり違う方向に垢抜けたようだった。

それとも今思うと「私こんなに異性関係派手なのよ!」っていうマウンティングだったのかもしれない。

 

ただ、その話が盛ってあったにせよ(恐らく花さんは言ってるだけで一服盛って逆レイプなどは実行していないはず)、わたしはドン引きしてしまったし、気持ち悪りぃなこの女…という目で見てしまった。(それは未だに変わらない)

 

 

それから社会人になり、帰省中に会おうと声をかけるもタイミングが合わず、噂は聞くが会うことはなくなってしまった。

 

一度上野駅で偶然会い声をかけた時、「よく私だってわかったね〜!」と驚かれたが、その後の反応はいまいちだった。

(ふ〜ん、とかへ〜、くらいしか言ってなかった。嫌われてたんか?!)

 

あれから10年以上経った今、帰省した時に夫と息子の3人で散歩をしていて、花さんの実家近くを通りかかった。

 

良く遊びに行った家はなくなり、新築の平家が建っていた。

 

田んぼのあぜ道を通りながら無意識に四つ葉のクローバーを探したけど、見つからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

痴漢

何度か言っているように、わたしはモテとは無縁の人生を送ってきた。

 

それはずっとデブで可愛くないからだと思っていたが恐らく痩せて顔をいじってもあまり変わらなかったんじゃないかなとは何となく思う。

(時折存在するお太りあそばしていたり、不美人の類であってもモテる女性の心当たりがみなさんにもあるはずだ)

 

痩せたことも綺麗になったこともないからわからんけども。

 

だから痴漢とかに遭うことも、わたしに限ってはないと思っていた。

 

 

25年ほど前の平成初期に女子大生だったわたしは、受かった大学に通う為祖父母宅から電車で2時間かかる県をふたつまたいだ遠方まで毎日通っていた。

 

(実家は田舎すぎて進学するなら一人暮らしが当たり前だったが、うちは祖父母宅から通うことが進学の条件だった)

 

通勤ラッシュと重なっており、行きも帰りも混んでいて、まあまあ辛かったが、大学はそれなりに楽しかったし祖父母も良くしてくれていたので、充実はしていた(勉強だけはどういうわけかやった覚えがない)。

途中一人暮らしをすることもなく、結局4年間通い切ったのだが、その中で5回くらい痴漢に遭った。

 

(恐らく同じ条件で別の女性だったらもっと高確率で遭っていたのではないかと予想されるのだが…)

 

その中の2回ほどは、満員電車の中で、「?」と違和感を覚えるだけの微妙なレベルだった。

 

それはつまり、触られてるか触られてないかの判断が、つけられないほど僅かに触られているという状態である。

 

背中と尻の割れ目辺りを一定のリズムで触られているように思い、振り向くとその感覚は消える。気のせいかと思ってまた前を向くとまた同じリズムで…

 

って、こっちの動向に合わせてる段階でもう真っ黒やんけ〜!!

 

その時は誰だか分からず、対処出来なかったが、

「こんな微妙に触った所でなにが良いの…?」という疑問だけは今も残っている。

 

(マジで何が良いんでしょうね…?どなたかご存知かしら)

 

まあ正直満員電車の中ではろくに顔も確かめられないだろうから、女性ならなんでもいいと思ってるんだろうねぇ。

 

…ただ、良く言われている、

「無差別犯罪は実は無意識に選抜されている」

節によると、地味で大人しそうな女性が狙われるのが一般的だが、その頃のわたしは地味ではなくファッションセンスも紙一重だったので(蛍光色とか派手な柄模様の服を好んで着ていた)(友達に男性を紹介された時「良かった〜今日えぐちゃん普通の格好で!いつも変に目立つから!」と言われたこと有)、未だに

 

「良くわたしに来たな…」

 

と思ってしまうのであった。

 

つづくかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

知らんジジイ

中3の修学旅行の夜。今から30年前の話である。

 

関東地方の片田舎に住んでいたわたしたちの学校は、日光方面を巡ってから近隣のホテルに泊まるという、極めてオーソドックスなコースをまわり、夕飯と風呂の後、少しの自由時間を楽しむべく仲の良い友達数人とロビーで駄弁っていた。

あまりはっきりは思い出せないが、ロビーにいた同級生はそんなに多くはなく、ヤンキー系の派手な奴らは多分部屋であーだこーだしてたのだろう、割と大人しめの女子ばかりだった気がする。

 

ロビーのソファに座り喋っていた私たち(多分3人だったと思うのだけど)に不意に近づく人物がいた。

 

それは浴衣を着た風呂上がりと思しき知らんジジイであった。

 

知らんジジイは私たちに話しかけてきた。

「君たちの指導者に会いたいのだが」

 

 

 

突然よくわからんことを言われ動きが止まる私たち。

 

「君たちの態度があまりに酷いんでね、指導者の顔が見てみたいと思って」

 

 

??

 

 

ますます不可解な私たち。

 

 

何故なら、そのジジイが言ってることが、全く見当違いだったからだ。

 

例えば、ロビーで中学生が大声で猥談を繰り広げ大騒ぎしていたら、そりゃまずいだろう。

しかし私たちは普通にソファに座り話していただけで、大声だしたり、走り回ったりはしていなかったはず。

いや、もしかしたらソファを占領していたのが気に食わなかった?!

 

…まあ思いつくことがそれくらいしかなかったので、このジジイは単にイチャモンつけてきてるだけだなと判断したわたしは

「じゃあ先生呼んできますんで」とだけ言って職員の部屋へ行った。もちろん謝ってなどいない。

友だちも戸惑いつつ付いてきてくれた。

 

 

職員の部屋に行くと、学年主任の山さん(アラフィフの男性)が浴衣で大の字でイビキをかいて寝ていた。

(今思うと既に一杯ひっかけてたんじゃねぇかな…と考えられる)

 

「先生、先生」

気持ち良さげに寝ていた山さんに声をかけるとびっくりしたように飛び起きた。

 

「今ロビーで知らないおじさんに、お前らの指導者の顔が見たいと言われたので呼びに来ました」

 

言われた事をそのまま伝えると、山さんはすぐにロビーに向かった。

 

ロビーにいたそのジジイと山さんがソファに座り話しているのを、山さんの後ろ側から見守る私たち。

 

声は良く聞こえなかったが、ジジイが山さんに

「自由?そういうのは自由とは違うだろ!」

などと明らかにお前の方が違うだろ、というような言葉の揚げ足を取るだけのことを言われていて、数分前までは気持ちよく寝てたのに、かわいそうにな…と思った。

 

 

その後、部屋に戻った私たちの所に山さんがきてくれて(私たちが山さんの部屋に行ったのかもしれない)、

「別に迷惑かけるようなことはお前たちは何もしてないから、気にするな」と言っていた。

 

私たちもそうだよね?!そんなうるさくなかったよね!?と後から湧いてきたジジイに対する怒りを露わにしていた。

 

その中に何故か過去記事でも登場した(https://erxiio.hatenablog.com/entry/2019/02/07/001711)生徒会長のカジがいて(唯一男子)、ロビーにいた当事者でもないのに神妙な顔立ちをしていたのが意味がわからなかった。

 

わたしは怒りがよくわからん方に向いて何故かやたら嫌みったらしい言い回しでそのジジイの悪口を言い続けていた気がする。

 

その一方で友だちが

「せっかくの修学旅行なのに台無しよ!」

と言って泣き出すと、その部屋にいた他の友だちも泣き出してしまい、泣きながらヒートアップして何か言った友だちに対しカジがよくわからんけどキレそうになるという、カオスな状況になっていた。

 

(何度も言うがカジはその時に関しては完全なる部外者であり、女子の所に勝手に来て勝手にキレる意味は今考えても全くわからない。余計。いらんことすんな)

 

わたしはあーあ、という気持ちで友だちが泣き止むまでその場を見守るしかなかった。

 

 

多分ここまでで1時間弱くらいの時間だったと思うのだが、その後またロビーを通ると、一時消えていた同級生たちもまたロビーで寛いでいた。

 

 

そこにさっきの知らんジジイが、何事もなかったかのように通り過ぎていった。

 

 

 

いや、あえて知らん顔をしながら、わざわざロビーを通ったように見えた。

 

 

 

 

そして時は流れ今2020年。

 

Twitterでポテサラくらい作れジジイの話題を見かけて、わたしは確信した。

 

 

 

 

みんな!

 

こういうジジイは!!

 

ただの!!!

 

難癖野郎で!!!!

 

言いやすい相手に!!!!!

 

絡みたいだけの!!!!!!

 

孤独な人間だから!!!

 

言われる筋合いでないこと言われたら!!!

 

全力で気にするな〜〜〜!!!!!

 

 

…だって、アイツらこっちがどんなに普通にしてたって重箱の隅つつくように言いがかりつけてくるんだもん。

「注意を促す」ことが目的でなくて「相手を凹ませる」のが目的なんだからさ。

 

絡まれたら何も言わず無視して

 

「…あ〜これ、相手になんとかマウントとって凹ませようとしてくる、残念な歳の取り方した方の人間だわ…」

 

という目線をそいつに送りつつ立ち去るのが良いのでは。

 

 

平成初期にも存在したそういう知らんジジイは、令和初期にも存在するんなら、これからもいなくなることは無いと思うから、せいぜい自分がそういう歳の取り方をしないように気をつけていこうと思う。

 

 

 

そしてこういう年寄りに絡まれたら

 

「ああ…アレね」

 

くらいの気持ちでスルーできるよう、悪い歳の取り方をした人の事が社会に広まっていけばいいんですわ。ええ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

露出狂

なんだか世間が痴漢の話題で盛り上がっているようで、それ系ツイートを眺めていたら思い出したことがある。

 

それは10年ほど前(30代中盤)、新卒で入った仕事の特別なイベントある日の朝だった。

 

わたしはいつもより早い電車に乗るべく、徒歩10分強の駅までの道のりをiPodを聴きながら一人歩いていた。

朝7時台だった。

いつもと違い、スーツにヒール。ヒールが苦手なわたしは駅に着くのに時間がかかるのを見越して出勤時間よりかなり余裕を持って家を出ていた。

駅までの道は住宅街で、割と高級な邸宅が並ぶエリアだったので、素敵なお宅を見ながら歩くのは嫌いではなかった。

通り慣れた道と1本違う道を行ってみようと、軽自動車が1台ギリギリ通れるか通れないかくらいの細い道を入り、しばらく歩くと不意に隣に自転車に乗った長髪の男性が現れた。

イヤホンをしていたわたしは隣に来るまで全く気付かなかったので、ギョッとしたが、無言でこちらの顔を見てくる男性の顔を不審に思いつつ見返していたら、ようやく事態が理解できた。

 

そいつは下半身を出ししごきまくっていたのだ。

 

 

 

 

「テメェ何してんだゴラァァァァァぁぁぁ!!!」

 

頭に血が上る前にわたしは喉が出せる限りの声で怒鳴っていた。

 

「フザケンナごの野郎がああああああああああ」

 

当然逃げる男。

怒鳴りながら追いかけるわたし。

 

「待ちやがれこのクソ野郎がぁぁぁぁぁぁ」

 

「テメェ警察に突き出したるからなぁぁぁあ」

 

当然追いつく事も出来ず肩で息をしながら110番をした。

 

「警察です。事件ですか、事故ですか」

「たった今、露出狂に遭いました。長髪に黒髪、黒いスーツ、大声を出したら自転車で逃げました」

「場所はわかりますか」

「〇〇駅に向かう途中の〇〇の辺りです、今その人が遠くに見えてます」

「わかりました。すぐに向かいますが、あなたはそこで待っていることはできますか?」

「大切な仕事がありそれはできません」

「では、連絡先を聞いてもよろしいでしょうか」

 

電話を切った時には遠くで見ていたそいつも見当たらなくなった。

 

かわりに、すぐ前のお宅からわたしの罵声を聞いて何事かと思ったおばさまが心配そうに出てきて、どうしたの?と声をかけてきた。

「自転車に乗った露出狂が出たんです。警察には通報済みです。お騒がせしてすいません、どうか気をつけてくださいね!」

 

あらそうなの…大変だったわね…と声をかけてくれたおばさまに会釈をして駅へ向かったが、とりあえずこの時点で不審者に思われても仕方ないのは朝っぱらから怒号をあげていたわたしの方だっただろう。近隣の方々には申し訳ないことをした。

 

職場に着いてからは同僚の皆にすぐさまこの話をした。

「どんな人だったんですか?」

「長髪、黒髪、黒スーツの小さい平井堅みてぇな奴だった」

「…それ、平井ケンジだったんじゃないですか?」

…いや、多分平井ケンジではないな…

と思っていたら、携帯に着信があった。

 

警察からだった。

「先ほど通報頂いた方と思しき方を確保したのですが、確認に来ることはできますか?」

「…申し訳ありません、今から大事な仕事があり、携帯も出ることが出来なくなってしまいます」

「そうですか…」

 

 

その後、小さい平井ケンジがどうなったかはわからない。

 

だがひとことだけ言うならば、

 

「命拾いしたな、小さい平井ケンジよぉ」

 

…というところだろうか…。