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浄化してしまいたい

思い出したくない嫌〜なエピソードをネタにして浄化する

初潮がきた その時母は

物心ついた時から太っていたわたしは、10歳くらいから第二次性徴期が始まっていたようで、急にお乳にピキッという痛みが走ったり、触るとでかいしこりがあり痛みがあったりしていた。

 

結構ショッキングな出来事で、母に話すと真剣に聞いてくれたし、わたしが通う小学校の保健の先生にも相談したようだ。

 

その時は知らなかったけど、それはお乳が発達する前兆で、よくあることなのだが、保健の先生も「江口さん、胸が痛いんだって?」と聞いてはくれたものの、病気じゃないから気にしないでとか良くあることよ、みたいな言葉をかけてくれる訳じゃなかったし、女子だけ集められて「身体のことで心配なことがあれば書いてね」と渡されたアンケートに「胸が痛くて硬いものが入っている」と記入したら、回収後すぐにアンケートをチェックしていた女の先生たちが、わたしの用紙を見ながらう笑いながらうなずき、こちらを見て微笑んでいたけど、それ以上のアクションはなく、やっぱり安心させてはくれなかった。

(これは完全に周りの大人たちのミスである。わかってるなら言ってくれ)

 

今思うと、わたしがそういうことに興味がなかった、というか、興味がない、気にしてないふりをしていたからなんだと思う。

 

 

今はどうだか知らないが、わたしが小学校の頃は五年生で生理の仕組みなどを男女別の部屋に分かれて教わった。

 

だが、人より体格が良かったわたしは、そのことを習う前に生理が来るかもしれないという心配があったのだろう、母がその辺りを気にかけていたように思う。

 

ある日、部屋でマンガを読んでいたわたしに、母がおもむろに(だが決心したように)「あのね、えぐちゃん。女の人はね、生理と言って、お尻から血が出てくることがあるんだけど…」

と話し始めたことがあった。

 

わたしは生理のことはなんとなく知っていたが、何故か母とその話をしたくなくて、咄嗟に

 

「ふーん、そうなんだ〜。ねえ、見てこれ〜」

と読んでいたマンガを母に見せて、話を中断させた気がする。

 

本当はかなり心臓がバクバクしているのに。

 

母はそれ以上何も言わず、ただ複雑な表情をしていた。

 

わたしの望み通り、「そういうことに興味のない、もしくはそういう話をしてもしょうがない」子だと思わせるのに、成功したのだ。

 

わたしは今でもそれが普通だと思っているのだが、親と性的な話とかするのってすごく嫌じゃなかった…?

 

だって一番そういう存在からかけ離れてるじゃん…

 

でもたまにオープンな家族もいるしなぁ…

 

 

まあ、そんなこんなで「身体はデカいけど中身は幼い自分」を親に対して演じていた矢先、ついに初潮を迎えた。

 

授業で教わった後だったので、正確な知識はあったけど、それでも驚いた。

でも、一人で対応することなんてできなかった。

 

 

別室にいた母に

「お母さん、わたし、生理になっちゃった!」と伝えると、母は

 

 

「ええっ!?」

 

と言うと、しばらく頭を抱えて何かを考えはじめたのだ。

 

 

 

 

 

…ええっ?!じゃねえよ…。

 

 

わたしに初潮が来そうだって思ってたんじゃなかったのかよ…

 

 

 

その時の母の驚きぶりと余裕のなさ(困ったわ、どうしよう、という思いがダダ漏れだった)は、わたしに罪悪感を植え付けた。

 

当事者のわたしの方がどうしようなのに、何故母の方が困っていたんだろう?

 

それでもわたしは心細さを隠すしかなかった。

 

 

その後は生理用品をくれて使い方を一通り教えてもらい、何とか処置をしたのだが(生理用ショーツはなかった)、一息ついてから母が「どうする?お父さんにお話する?」と(とってつけたような)笑顔で聞いてきた。

 

「…いい」とだけ答えた気がする。

 

 

 

わたしの初潮になった日は、最悪の思い出となってしまった。

 

初潮のせいで母を困らせてしまい、その結果、わたしは心細さを表出することがそれ以降出来なくなってしまったのだ。

 

 

母は何故あの時あそこまで余裕がなかったんだろうか。

 

思うに、田舎で共働きの上義両親と同居しており、とにかく忙しかったし、精神的にもギリギリだったのだろう。

忙しい上にルーズな所もある人だから、気づいていても用意が出来なかったのかもしれない(実際生理用ショーツは後から買ってもらった)。

 

わたしが平気なフリをしていたのもいけなかったかもしれないけど、娘に初潮が訪れた時にビビらせないで欲しかった。

 

 

いつかわたしに娘ができて、初潮を迎えたら、絶対に母のようなリアクションはとりたくない。

 

「あら、おめでとう!じゃあパンツ買いに行って、ついでにお祝いスイーツ食べてこよっか!」

 

くらい言ってあげたい。

 

いや、少なくとも、取り乱したりせずにドーンと受け止められるような肝っ玉母さんでありたい。

 

 

…が、恐らく娘を持つことはこの先ないだろうな…

 

隣でグースカ眠っている一人息子を見て思うのだった。