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浄化してしまいたい

思い出したくない嫌〜なエピソードをネタにして浄化する

金田

高校一年の時。

まあまあ田舎に住んでいたわたしは、自宅から電車で1時間、その後バスで15分かかるちょっとだけ都会の高校に進学した。

 

実は進学校と呼ばれるところで、同じ中学から行った友達は3人いたが、私以外は全員特待生で授業料免除のお利口さんたちであった。

そんな中高校3年間見事に底辺を支えてきたわたしは、勉強はしなかったが高校生活はかなり楽しんでいた。何をしたかと言われても答えられないほど何もしていないのだが…

 

慣れるまでは年下にも敬語を使うほど人見知りだったので、最初の頃自分から声をかけられず一人で弁当を食べていたら、後に「あの時、一人でお弁当食べてたよね?声かけてあげられなくてごめんね」とクラスの女の子から言われるくらい、こう、なんか優しい人たちばかりの高校だった。

 

そんな中、自分が出せるようになってくると、誰とでも話せるようになり、割と目立つようになり、知らない子にも名前を呼んでもらえるようになっていた。

 

もちろん相変わらずリア充ではなかったが。

 

そんなドッキドキの一年の時。

クラスの金田という男子がやたら絡んできた。

そいつは系列の中学からエスカレーター式で上がってきた内部生で、要は中学から私立に入ることのできる、ちょっとだけお金持ちの家の子だった。

 

どういう絡み方かと言うと、まず巨乳をいじってくる(触ってくることはない。言うだけ)、太った体型をいじる、キャップを外すとインクが飛び散るペンを渡してくる…などだいぶ幼稚なことが多かった。

わたしがそれに怒ったり焦ったりしてるのを、同じ内部生の男子と笑っていた。

 

好きな女子をいじめたくなっちゃう男子、という公式には見事に当てはまらないのは誰が見ても一目瞭然だった。まずわたしがそういうキャラではない。そして金田もチビで決して整った顔立ちではなく、そういう色気なんてない奴だった(ように見えたが、実は中学の頃後輩に手を出していたらしいあのツラで)。

 

だがわたしはそれを大したこととは受け止めていなかった。強がりとかじゃなく、本当に大したことじゃなかったから。

 

陰でこそこそ笑われてる訳じゃないし、マイペースに明るく、にぎやかに、楽しく過ごしていたので(他のクラスメイトにはもしかしたらうぜぇと思われていたかもしれないが)、まあ勉強で忙しい進学校の、ちょっとした息抜きみたいなもんだったんだろう。

 

でも、何故か金田はその後学校に来なくなった。

 

担任の計らいで、金田に向けた日誌みたいなものをクラスのみんなで書いて渡したりしていたが、一年が終わる頃には完全に金田は居なくなっていた。

 

理由はわからない。

いじめとかでは無いと思う。どっちかといえばわたしこそ金田にいじめられていた方だと思うのだが…

 

金田とつるんで笑っていた内部生の男子とは、少しだけ仲良くなり、喋るようになった。そいつにも金田ほどあからさまじゃないけどいじられたが、例えが上手くて目の付け所も良かったので、自分のことを言われてもみんなで笑ってしまうような雰囲気が心地よかった。

 

そいつがある日「金田がさ、おまえに言っとけって言ってたんだけど」と前置きして、

「日誌のページ、おまえいつもピンクの蛍光ペンで囲ってるだろ。"ピンクの蛍光ペンといえば江口"って書いたらしいけど、金田の手に届くのはコピーだから、色わかんねえらしいのよ。それだけ伝えとけって言われた」

 

…金田、思ったより余裕じゃねーか。