夢の中でならあんなに強気になれるのに
大学時代仲が良かった友達2人に嫌な態度を取られた。
声を掛けたけど、あからさまに無視。それどころか耳打ちをし合っている。
「なにその態度。感じ悪いんだけど」
悲しみより怒りが湧いてきたわたしは、即座に言った。
「…だってえぐちゃん、いつもルーズだから…」
「それは直接理由にならないよね?」
食い気味に言い放つわたしに、2人は黙ったままだった。
合宿に向かうバスの中、わたしは踵を返し、2人から離れ1人で座った。
かっこ悪。こいつらまるで小学生じゃん。
こんなに嫌な思いをするなら、わたしは1人でいいわ。
そこに後に絶交してしまう友人、とにちゃんがいくらか気を遣ったような笑顔で話しかけてきたのを、不思議な気持ちで見ていた。
そんな夢。
現実のわたしときたら、顔や態度に出てしまうけれど、咄嗟に言いたいことを言えないただのチキンである。
夢の中ではまるで台本があるかのように言葉が口をついて出てきた。
わたしはそうなりたいのかもしれない、
でもなれないことはもうずっと昔からわかっていて、諦めている。