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浄化してしまいたい

思い出したくない嫌〜なエピソードをネタにして浄化する

はなちゃん

小学校高学年になった頃、同じ地区のはなちゃんという女の子と仲良くなった。

その子はすらっとしていてどちらかといえば美人で、足が速く田舎にはないようなオシャレさんだった。お母さんが若くて美人だったから、その影響なんだろう。

だけどすごく気が強くてワガママで意地悪だった。

 

これだけ揃っていたら、まあ田舎の小学校では目立つ方で、色々な意味で有名なはなちゃんがなんで私みたいにどんくさいやつと仲良かったのかは疑問だった。

 

わたしもビビって付き合っていたわけじゃなく、それなりに心から楽しく付き合ってたんだけど、よくわからん理由で無視されたりキレられたりはしょっちゅうだった。

 

意地悪ワガママ気が強いまではまあいいんだけど、はなちゃんは実は卑怯なところがあったのだ。

 

海辺の街であるわが田舎は、夏は海水浴客で賑わうのだが、ある夏の夜 海水浴場でカラオケ大会が開催されることになった。

 

そのカラオケ大会に地元の小学生であるわたしたちが出たところで盛り上がるとは思えないが、なんやかやあって同じ地区のはなちゃんやほかの友達が出ることになり、わたしもはなちゃんと2人で出ようと約束していた。

 

おそらくはなちゃんのお父さんが観光業に携わっていたので、そこから話が来たんだろう。覚えてないけどきっかけははなちゃんからだったはずだ。

 

確かそのカラオケ大会は2日連続で開催され、1日目ははなちゃんと一緒に当時流行っていた光GENJI(←今思うと凄い名前だなコレ)を歌い案の定盛り上がることなくステージを降りたのだが、事件は2日目だった。

 

わたしは確かにはなちゃんとまた2人で出ようと約束したはずである。

 

なのに、カラオケ大会がもう始まろうとしていた時、はなちゃんは同じ地区のけいちゃんという同級生と出ることになっていたのだ、わたしにひとことの断りもなく。

 

ちなみにけいちゃんはわたしより太っていてはなちゃんより性格がキツかった。

 

つまり、はなちゃんはけいちゃんに後から誘われたのに断りきれず、わたしからのりかえたのだ。

 

わたしは焦った。

 

そんなカラオケ大会に1人で出るほどの肝力はない。

 

涙目になりながら舞台裏の司会のお兄さんに出るのをやめます、と伝えわたしは棄権したのだが、本当に恐ろしいのはそのあとだった。

 

「テメぇなんで勝手に出場取り消してんだよ!出るって言ったじゃん!」

 

けいちゃんに攻められても毎度の如くわたしは何も言えなかった。

はなちゃんは何も言わなかったけど(言えよ)、ただけいちゃんの後ろでにやけていた。

 

その後浜から泣きながら1人で帰り、母に全てを話した。

母は真剣に聞いてくれたけど、特に何も言わなかった気がする。

 

でもそれで良かったのかもしれない。

 

田舎町特有の閉鎖的な人間関係に、都会から嫁に来た母は違和感を抱いていたけれど、同時にとにかくやり過ごすことが得策とわかっていたのだろう。

 

わたしもわかっていたんだと思う。こどもながらに。

 

 

その後も平気で秘密だよと言った話をバラすわ、急に教室入ってきて何も言わずビンタするわ(これは中学入ってからだけとマジで意味わからなかった。多分漫画のヒロイン気取りだったんだろうねアレ)、ちょいちょいお金貸してと言っては返さずに、借りておきながら「300円じゃ何も買えないんだよ!」と逆ギレされたりと酷い目に遭わされたけど、それでも一応友達だったんだよね、何故か。

 

高校でやっと別になり、通学方向も逆だったから(というかわたしの高校に進学する子の方がレアで4人しかいなかった)全く情報が入ってこなくなったのもあって、その後は友達付き合いもなくなった。

 

そして今現在はなちゃんは都内に住みシングルマザーをしている。ちゃんと働いて娘さんと年1で海外旅行するくらいには楽しくやってるらしい。

 

ちなみにけいちゃんは地元でシングルマザーになっていた。実家に戻り仕事を見つけ息子さんの為に頑張っている。

 

夏に海に行くと、だいたいはなちゃんのお母さんに会うのだが、「うちのもそうだし、けいちゃんとこもそうだし、この地区のはなの学年はみんな離婚してて子ども引き取ってんのよ〜」と笑っていた。聞けば同級生の中で離婚してないのはわたしともう一人の女の子だけらしい。

 

「だから江口ちゃんも気をつけた方がいいかもよ〜」

「ははっ、そうですね!次はわたしかも〜なんつって!!」

 

 

…うん。意地でも離婚しねぇ。